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(財)ベターホーム協会は、災害時の「食」への備えをまとめました

東日本大震災の発生後、直接大きな被害を受けていない首都圏の地域でも、食品や災害用品の需要が高まり、コンビニエンスストアやスーパーで品切れが目立ちました。普段、食品や消耗品のストックをしていない人々が、災害への不安感により、急遽、備蓄分として購入したのが要因であると思われます。

いざというときに食材を求めようとしても、手に入らなかったり、混乱が起きる可能性があります。「買占め」と言われるような大量の備蓄はするべきではありませんが、災害時の食材難に備え、普段から保存がきく食品や消耗品をストックしておくことが必要です。
また、電気・ガス・水道などのライフラインが停止してしまうと、いつもと同じように調理をすることができません。エネルギーや水が限られている状況で、備蓄した食品をどのように食べたらよいのかという知識も得ておく必要があります。

そこでベターホーム協会では、いざというときのために備えておきたい食品などのリストと、電気・ガス・水道が停止したときの調理についてポイントをまとめました。国民のみな様にぜひ活用していただきたいと思います。
なお、ここでは、家屋の倒壊や火災の被害は免れ、自宅で生活を送ることができる状況を前提としています。

いざというときのために備えておきたい「食」リスト
1.主食 無洗米、パスタ、乾燥めん、もち、小麦粉、米粉
・エネルギー源となる炭水化物は、1週間分を目安に備蓄する。
・小麦粉や米粉をすいとんやだんごにすれば、米を炊くのに比べ、水や火が少なくてすむ。
【小麦粉をすいとんに】 
小麦粉に、小麦粉の約半分の量の水を少しずつ入れて混ぜる。沸騰しただしやスープに入れて、浮かんできたら食べられる。
【米粉でだんごを作って主食に】
小麦粉と同じようにすいとんに。その他、少し
かためにといて手で丸め、フライパンでこんが
り焼くと、焼きもちのようなだんごに。
2.水 空いたペットボトルに水道水を入れておく
・日ごろから、水道水のくみおきを習慣づける。長く保存せず、料理や洗い物に使用し、常に新鮮な水が入っている状態にする。
・「水道水を入れたら、ラベルをはがす」と決めておくと、備蓄用であることがわかる。
3.缶詰・レトルト食品・乾物 缶詰、レトルト食品
・肉、魚、豆など、たんぱく源をそろえておく。特に成長期の子どもには大切。
乾物
・切り干しだいこんや海草サラダなど、加熱せずに食べられる乾物は、不足しがちな野菜のかわりになる。
・節分の炒り大豆は、そのまま食べることができるたんぱく源。
4.日持ちする野菜 じゃがいも、たまねぎ、さつまいもなど
常温で日持ちする根菜類を、日々使いながら常備しておくと、いざというときに役立つ。
5.道具 カセットコンロとガスボンベ
電気やガスが止まっても使える熱源。 
ラップ、アルミホイル、クッキングシート、ポリ袋など
水が使えないときに、食器に敷いて使い捨てる。



■電気、ガス、水道が停止したときの調理のポイント

1.食材のチェックと保存を行う

・まず、食材のチェックと仕分けを
災害後、家屋や家族の安全を確認したら、室内の片付けと同時に、食べ物のチェックを行う。缶詰、野菜、菓子などを探し、火を使わなくても食べられるものと、加熱が必要なものを大別する。
<そのまま食べられる>ビスケット、チーズ、ジャムなど
<加熱が必要>カップめん、レトルト食品など

・電気が止まっても、冷蔵庫の中のものはしばらく保存可能
電気が止まっても、開閉を控えれば庫内の温度が一気に上がることはない。傷みやすいものから使うようにする。冷凍庫は、しばらくは冷蔵室として使える。冷蔵庫にある食材をすばやく冷凍室に移動し、少しでも長く保存できるようにする。冷凍食品は使えなくなる可能性が高いが、冷却材となるので入れたままにしておく。

・食中毒に気をつける
3〜4時間たっても電気が復旧しない場合、冷蔵庫の中の生ものが傷んでくるので注意する。傷んだ状態で冷蔵庫に入れておくと、腐敗菌が増殖し、ほかの食品にも影響する。災害時の食中毒は、手当てができずに体力を消耗するため、一層の注意が必要。


2.カセットコンロで効率よく調理する
電気もガスも使えないときは、カセットコンロが貴重な熱源。効率よく調理する。

・ひと鍋で済む料理を作る
野菜や主食も一緒にとれる鍋ものが合理的。具は同じでも、和風だし、洋風スープ、カレー味など、味で変化をつけると飽きない。
【ひと鍋で作るツナパスタ:2人分】
鍋にツナ(小1缶)とトマトジュース1缶(160〜200ml)、水カップ1を入れてふたをし、火にかける。
沸騰したらスパゲティ160gを半分に折って加え、めんがやわらかくなって汁気が少なくなるまで、混ぜながら煮る。
塩・こしょうで適宜調味し、あれば粉チーズをかける。

・カセットコンロの熱効率を高める
(1)コンロのまわりを囲って保温性を高める
ただし、ガスボンベの部分が熱くなりすぎると爆発の危険がある。
ボンベ側にはぴったりつけないようにする


(2)火加減は鍋の大きさにあわせる
炎が鍋からはみ出さないようにする
(3)ふたがぴったりできて熱伝導のよい鍋を使う
厚手のステンレス鍋は保温性はあるが、熱伝導はアルミ製のほうが優れている。短時間で火を通すには、アルミ製の鍋を使う。
(4)2品以上作るときは同じ鍋を使う
蒸し煮をした鍋で炒め物するなど、鍋を洗わずに、冷めないうちに同じ鍋で調理すると省エネになる。
(5)「ゆでる」より「蒸し煮」を
野菜をゆでるのには普通はたっぷりの水をわかすが、野菜の水分を使って蒸し煮にすると短時間で火がとおり、水がお湯になるまでのエネルギーも節約できる。

3.余分な水を使わない工夫をする
・洗いやすいので、洗う使う水が少ない野菜を使う
トマト、きのこ、だいこん、ねぎ、にんじんなど

・ラップ、クッキングシート、アルミホイル、ポリ袋、キッチンばさみを活用し、洗いものを減らす

(1)フライパンにクッキングシート、鍋にアルミホイルを敷いて調理する
(2)食器にラップやアルミホイルを敷いて使う
(3)あえものなどはポリ袋で調味。
袋を広げてそのまま器に置けば器も汚れずにすむ
(4)ポリ袋を手袋がわりにして、なるべく手を洗わずにすむようにする
(食中毒防止にもなる)
(5)食材をキッチンばさみで切って、直接、鍋や器に入れるとまな板を汚さずにすむ

・食器や鍋を洗った水は、流さず繰り回す
ざるでこして、ごみや汚れを除いて溜めておき、トイレを流すときに使用する。

以上


月刊ベターホーム2011年5月号にも、災害時の「食」について掲載しています。

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