素材の切り口に切れ目を入れること。忍び包丁、かくし刃ともいう。
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■大ぶりに切っただいこんなどの下ごしらえでよく目にするのが、「切り口の一方に十文字の切れ目を入れます」という表現。これは「かくし包丁」といい、加熱するときに、火の通りをよくし、味をしみこみやすくするために行います。盛りつけたときしたになるほうの面に、厚みの1/3くらいまで十文字に切り目を入れます。切り分けやすくもなり、食べやすさにもひと役かっているのです。野菜やいも類、魚にすることもあります。
■似た用語に「飾り包丁」がありますが、こちらは盛りつけたときに表になるほうに、飾りになるような切り目を入れること。かくし包丁が見えないように切り目を入れるのとは対照的です。味をしみこみやすくするという点では同じものの、仕上がりの美しさをも計算に入れた手法です。揚げなすなら、斜めに格子状の飾り包丁を入れると、皮の破裂が防げて火の通りも早く、仕上がりがきれいです。
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