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料理を引き立てるために添えるものを、「あしらい」とか「添え」と呼びます。
その中でもさらに、主な素材の前に添えるものを、前盛りといいます。
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たとえば、焼き魚を食べるとき、ピンク色をした細長いしょうがが添えられていることがありますね。これは筆(杵)しょうがといい、葉しょうがを甘酢につけたもので、前盛りによく使われます。手をつけない人もいるようですが、焼き魚などに添える前盛りには、見た目を引き立てるだけでなく、口の中をさっぱりさせる意味もあります。そのため、酸味のあるものにすることが多く、ほかに菊花かぶ(菊の花に見立てて切ったかぶを甘酢につけたもの)や、甘酢しょうが(薄く切ったしょうがを甘酢につけたもの)などがあります。また、天ぷらに添えるだいこんおろしや、しょうがなども前盛りです。
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前盛りは器とのバランスを考え、やや右前に置くことが多いようですが、料理によっては、主になる素材の前中央に置くこともあります。
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