■食卓にのぼる機会の多い煮魚や肉じゃが。こうした料理の煮汁の量が少ないのは、うま味や栄養分ができるだけ煮汁に溶けださないようにするためです。でも、味はしっかりしみこんでいないとおいしくありません。
■この「少ない煮汁で味をしみこませる」のを可能にするのが落としぶた。木製のものもありますが、現在はステンレス製が主流。やわらかい素材には穴を開けた紙やアルミホイルを使うこともあります。落としぶたをすると、煮汁がふたに当たって落ちるので、少量でも素材にまんべんなくいきわたり、材料を押さえるので煮くずれも防げます。
■ところで、レシピの中で「きせぶたをして」ということばを聞いたことはありませんか。きせぶたとは、鍋のふたのこと。落としぶたとセットですると、煮汁の蒸発を防いで風味をとじこめることができます。ただし、煮魚のように生ぐささを逃がしたい料理には、落としぶただけをします。
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