【連載・わたしのみそ作り】番外編 教えて!地域のみそ~仙台みそ
この連載では、ベターホームの先生・スタッフ計9名の「みそ係」が、自宅でみそを作る様子をご紹介しています。これまでの目次はこちらから→
番外編「教えて!地域のみそ」をお届けしています。前回の北海道みそに引き続き、今回は仙台みそ。仙台のずんだ先生が、この連載編集担当の事務局スタッフぱせりにレクチャー。
大豆のうまみが強くキリッと辛口
「宮城県で作られている仙台みそは、前回とうきび先生が紹介してくれた北海道みそと同じく、米こうじで作った米みそで、『赤色からみそ』に分類され、赤色みその代表格と言われています。ぱせりさんは、仙台みそにどんなイメージをお持ちですか?」
「ベターホームのお料理教室では、長野の淡色みそ「信州みそ」をいちばんよく使っていますが、関東の教室で次に出番が多いのが仙台みそですね!おみそ汁には、だいたい信州みそを使っていますが、夏場は仙台みそを使っていることが多い気がします。色が濃くて、暑い季節でもおみそ汁がおいしく感じる、キリっとした味だなと思っていました」
「仙台みそは、ほかの地域のみそに比べて、大豆の比率が高く、大豆のうまみを強く感じられるみそです。大豆は、煮るのではなく蒸し上げるのが特徴。蒸すことで大豆のうまみが凝縮しています。塩分量は12%前後とちょっと高め」
「塩分が高いのは気になるという人もいそうですよね・・・」
「それはご心配なく。うまみがしっかりしているので使う量は控えめですむんですよ。仙台みそはうまみの強さから、だしを使わなくてもおみそ汁がおいしくできる『だしいらずのみそ』とも言われます。発酵・熟成期間は一年ほどと長いので、色が赤く仕上がります。そのため、風味よく、大豆のふくよかさとほのかにアルコールの香りを感じます。これは、長い熟成期間に、酵母がごくわずかのアルコールを発生させるからだそうです」
400年の歴史があります
「仙台みそは歴史が古く、戦国時代にさかのぼると言われています。暑い夏でも変質せず、おいしいみそは、兵糧(ひょうろう=戦の時の食料)として名を上げました」
「兵糧には、焼いたみそを丸めてみそ玉にして携帯していたそうですね。お湯に溶いたり、そのままかじったり。みそ玉ってここ10年くらいで流行ったと思っていましたが、そんなに歴史のあるものなんだとびっくりです!」
「みその重要性に着目した伊達政宗公は、青葉城を築城した際に『御塩噌蔵(ごえんそぐら)』と言われるみその醸造設備を作りました。これは日本で最初の味噌工場と言われています。今では、醸造工場は街中にも市外にもあり、私たちには身近な存在です」
そのまま食べてもおいしいみそ
「仙台みそは風味が豊かなので、そのまま食べてもおいしいことから『なめみそ』とも言われています。そのままお酒のあてとしてなめたり、焼きおにぎりにしたり、ディップにして使うことがよくあります」
「『だしいらずのみそ』に加えて『なめみそ』。うまみが強いということが伝わってくるネーミングですね!」
「宮城の郷土料理『しそ巻き』をご存じですか?砂糖で味付けしたみそに、くるみやごまを入れて、しその葉で巻いて揚げたもの。お茶請けやお弁当、ごはんのおともに大活躍の一品です」
「しそ巻き、大好きです!ちょっとぜいたくですが、みその中に松の実を入れたのが気に入っています。ベターホームのレシピ検索サイト『レシピサーチ』にもしそ巻きのレシピが掲載されていますので、ご紹介します! →しそ巻きくるみみそ」
ぱせりの仙台みそまとめ
「大豆のうまみと長期熟成で、おいしさがギュっと凝縮。長い歴史を思うとより味わい深く感じられます。 誰か(食材)と組まなくてもおいしさを発揮できるスター級のみそだということがわかりました!」
ベターホームでは、毎年2月に手作りみその会を開催しています。教室で行うのは仕込みまでですが、天地返しなど手入れのことも丁寧に説明しますので、ひとりで仕込むのは不安という方におすすめです。みそ係の先生たちの多くも教室を担当!満員や、残席わずかのクラスも出ています。札幌スタジオは日程を増設しました。
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あなたもみそを仕込みませんか
●ベターホームではみそ作りのテキスト、材料、道具を販売しています。詳しくはこちら(これまでの連載の目次も掲載)→
みそ作りの手順を動画でご紹介しています
どんなふうに作るか、流れがよくわかります。