ヤマニ味噌
ベターホームの先生たちが教室を飛び出し、さまざまな食の現場を訪ねてレポートします。
見学するのは、千葉教室 西村千恵子先生(写真左)、千葉教室 星野幸子先生(写真右)
教えてくれるのは、株式会社 ヤマニ味噌 専務取締役 藤川 茂さん
長い歳月を経た木桶で郷土の味を守り続ける
千葉県佐倉市のヤマニ味噌は、130年の歴史を誇る老舗のみそ蔵です。城下町として栄えた佐倉には、かつて多くのみそ蔵がありましたが、いまはヤマニ味噌ただ一社が「佐倉みそ」の味を守っています。
天然醸造にこだわり、昔ながらの杉の木桶でみそ作りを続けるヤマニ味噌。100年を超す木桶もあり、メンテナンスはかんたんではありません。それでも木桶を使い続ける理由を、専務取締役の藤川茂さんはこう話します。「木桶は厚みがあって内部の温度変化が緩やかなので、ゆっくりじっくり発酵・熟成が進みます。また木桶にはみその発酵に欠かせない酵母菌や乳酸菌などの〝蔵つき酵母〞が棲(す)みついていて、これが唯一無二の蔵の味を作り出すのです」。
「蔵の味」へのこだわりは随所におよびます。原材料の米と大豆は、地元千葉県産を使用。大豆は雑味の元となる表皮をむいた「脱皮大豆」を使います。
一般的には「蒸す」だけの蒸煮(じょうしゃ)の工程では、一度煮てから蒸す「半煮半蒸し法」を行い、大豆のうま味を最大限に引き出しながら、上品な色に仕上げます。
また、みその香りの決め手となる酵母菌は、市販の培養酵母を使わず、独自の「種みそ」を継ぎ足しながら仕込んでいます。
30年前からとり組んでいるのが「二段仕込み」の胚芽米みそ。通常の米麹(こうじ)でみそを仕込んだのち、胚芽米で作った麹をさらに加えて長期熟成させます。深いうま味と甘み、フルーティな香りの芳醇(ほうじゅん)なみそは、全国味噌鑑評会で賞を何度も受賞するほどです。
地産地消のみそ作りを行うヤマニ味噌は、地元の学校給食にも使われています。幼いころから親しむみそ汁は、まさに佐倉の味。こうやって郷土の味が次の世代へと受け継がれていくことに思いを馳(は)せた1日でした。
「作ってみました!」
“生粋胚芽米”入り白玉だんご “落花生味噌”のソースがけ(写真左)
みそを白玉だんごに練り込み、“ 落花生味噌”をのばしたソースをかけました。
きざんだピーナッツをトッピングして。
“落花生味噌”のみそマヨディップ(写真右)
オリーブ油で焼いた野菜に、“ 落花生味噌”とマヨネーズを混ぜたディップを添えて。
手軽に作れて、野菜がおいしく食べられます。
星野先生「地元にあるよいものをもっと見つけて、地産地消の応援をしたくなりました。」(写真左) 西村先生「職人の技術・経験・勘で、変わらないおいしさを守り続けていることに感動!」(写真右)
【Data】
株式会社ヤマニ味噌
千葉県佐倉市並木町33
TEL : 043-485-4111
Access
【電車の場合】
京成本線京成佐倉駅より徒歩10分。
JR成田線・総武本線佐倉駅より徒歩20分。
(北口より ちばグリーンバス物井線「京成佐倉駅」行きに乗車、「佐倉市役所」下車すぐ)
http://www.yamanimiso.jp
※外部のウェブサイトにつながります
Information
【営】店舗10:30~17:00
(日曜・祝日は11:00~17:00)
WEBサイトからの注文は年中無休。
※表示の情報は掲載日時点の情報です。
掲載した時点以降に変更される場合もありますのであらかじめご了承ください。
撮影/安部まゆみ 文/山田恵子
※当ページのコンテンツは、ベターホームのお料理教室の受講生の方のための会報誌「Betterhome Journal」2019年2月号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。
2018年11月新創刊!「Betterhome Journal」
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