保谷納豆
ベターホームの先生たちが教室を飛び出し、さまざまな食の現場を訪ねてレポートします。
見学するのは、渋谷教室 内海知子先生(写真左)、櫻井弥生先生(写真右)
教えてくれるのは、保谷納豆 代表取締役会長 木内節雄さん。
温故知新の心が生んだ独自の「炭火造り」
「なっとなっと〜、なっと!」腹の底から響く大きな声。保谷納豆会長の木内節雄さんが家業の納豆を売り歩いていたころの売り声は、今も健在です。
「昭和30年代には東京に100軒近くの業者があって、競争も激しくてね。それが今では10軒足らず。時代の変化の中で生き残るのはやさしくなかったね」と木内さんはふり返ります。
保谷納豆の前身となる木内食品は、1951(昭和26)年、現在の西東京市保谷町に誕生しました。野菜の貯蔵室だった地下室を発酵室(むろ)に改造し、朝早くからかまどに据えた大釜で大豆を煮て、経木(きょうぎ)に包み、炭火で暖めた発酵室で発酵させていました。
「うちは創業当初から、室の温度調整を行う熱源として炭火を使い、室が暖まると換気口を開けて新鮮な空気を送りこんでいたんです。そうやって作った納豆を近所に売り歩いているうちに、おいしいと評判になってね。近所の食料品店や豆腐屋に置いてもらえるようになっていきました。私が炭にこだわる原点はここにあるんです」
昭和40年代に電気で温湿度管理ができる発酵室を新設。このとき、木内さんは炭を熱源としてではなく、「炭酸ガス発生装置」として活用することを考えつきます。炭の特性を学びに備長炭の産地和歌山を訪ね、空気の浄化や遠赤外線効果などについても理解しました。そして生まれたのが保谷納豆独自の「炭火造り」という製法です(下記「6」の工程参照)。これにより、保谷納豆は全国納豆鑑評会などで数々の賞を取得し続ける東京の名店となりました。
研究熱心な木内さん。エコな紙カップ容器の開発や、東京都の委託を受け、新たな納豆菌「東京菌」の開発チームに加わるなど、常に挑戦し続ける姿に深い感銘を受けました。
1.選別・洗浄
2.浸漬(しんせき)
3.蒸煮(じょうしゃ)
4.納豆菌接種
5.盛り込み(手作業)
盛り込み(機械)
6.発酵
7.熟成・包装
こだわりの製品
保谷納豆では、常時30種類程度の商品を製造している。全国納豆鑑評会で優良賞を受賞した極大粒の「つるの舞」をはじめ、東京都地域特産品認証食品多数。試食した先生方からは「大粒納豆はとてもしっかりとした粒でおいしい」「納豆嫌いの人が嫌がりそうなにおいがほとんどしない」などの感想が。
内海先生「健康的で和洋中いろいろな食材と合う納豆の利点を改めて感じ、そのよさをどんどん発信して
いきたいです。」(写真左)、櫻井先生「ひと粒の納豆にもたくさんの人の手がかかっていることがよくわかり、さらに感謝して食べたいと思いました。」(写真右)
【Data】
株式会社 保谷納豆 工場直売所
東京都東村山市青葉町2-39-9
TEL:042-394-6600
営業時間 10:00~16:00
Access
西武新宿線久米川駅より西武バス「新秋津駅」
または「清瀬駅南口」行きにて「全生園前」下車、徒歩3分。
JR武蔵野線新秋津駅より徒歩25分。
または西武バス「久米川駅北口」行きにて
「星ヶ丘住宅入口」下車、徒歩1分。
http://www.hoya-nattou.co.jp
※外部のウェブサイトにつながります
Information
保谷納豆取扱い店一覧
http://www.hoya-nattou.co.jp/store/
ウェブサイトからの注文
http://www.hoya-nattou.com/
※外部のウェブサイトにつながります
※表示の情報は掲載日時点の情報です。掲載した時点以降に変更される場合もありますのであらかじめご了承ください。
撮影/鹿又聡恵 文/山田恵子
※当ページのコンテンツは、ベターホームのお料理教室の受講生の方のための会報誌「Betterhome Journal」2019年3月号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。
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