豊洲市場
ベターホームの先生たちが教室を飛び出し、さまざまな食の現場を訪ねてレポートします。
※今回は東京都より取材許可を得て仲卸売り市場を見学しています。一般見学者は原則として入場できません。
見学するのは、渋谷教室 山﨑陽子先生(写真左)、細見玲子先生(写真右)
教えてくれるのは、中島水産株式会社 業務用営業部部長 長井 浩さん
中島水産では水産物の卸、百貨店などでの小売りを行っており、ベターホーム渋谷教室などにも魚を卸しています。水揚げ量は天候次第なので、納入の何日も前から各地の漁港に問い合わせて手配することもあるそうです。
徹底した衛生管理の下で日本の食を支える新市場
日本の食を支え続けた築地市場に代わり、昨年10月にオープンした豊洲市場。市場を知り尽くした中島水産の長井浩さんの案内で、活気あふれる新しい「日本の台所」を巡りました。
今回おじゃましたのは、水産物のせりを行う卸売場棟と仲卸の店舗がある仲卸売場棟です。卸売場棟では、迫力満点のマグロのせりを見学。マグロは同じ重量でも、脂が多いもの、赤身が多いものと、個体差が大きいといいます。「なるほど、仲買人さんは1本1本が真剣勝負なんですね」と、先生もせり場を食い入るように見ていました。
せりの声がよく聞こえる!
仲卸売場棟ではスズヨネ水産を訪問。マグロは空気に触れるとヘモグロビンがアミノ酸に変化し、うま味が増すのだそう。「だからマグロは少し時間をおいて熟成させた方が断然おいしい。新鮮な魚が必ずしもいいとは限らないんですよ」
プロの知識の深さと広さに、先生たちも感心しきりです。
さらに中島水産ではメバチマグロの解体も見学。60㎏を超える大物を素早くさばく手際のよさに、思わず目を奪われました。
おいしいマグロに感激!
魚介の低温流通が進む中、豊洲市場の施設も閉鎖型にして温度管理ができるようになっています。また、手や靴を消毒するスペースがあったり、東京都の衛生検査所が毎日、入荷商品の衛生チェックをしたりと、衛生管理の徹底が大きな特徴です。
多くの業者が移り、稼働し始めた豊洲ですが、「豊洲=築地ではない」と話す長井さん。
「豊洲は、まだ試されている段階。築地のようなブランド力をつけられるかは、これからの課題です。よい商品を扱い、市場としての価値や質を高めていきたいですね」
市場に関わるたくさんの人の思いに触れ、豊洲市場の魅力と可能性を感じた一日でした。
細見先生「わたしたちの台所が、市場とそこで働く方々に支えられているということがよくわかりました。」(写真左) 山崎先生「日本の魚食文化を象徴する場所。大きなマグロが並ぶようすは壮観で、せりは熱気を感じました。」(写真右)
【Data】
豊洲市場
水産卸売場棟(7街区)
江東区豊洲6-6-2
水産仲卸売場棟(6街区)
江東区豊洲6-5-1
TEL:03-3520-8205(代)
Access
【電車の場合】
新交通ゆりかもめ市場前駅より徒歩5分。
【バスの場合】
JR新橋駅銀座口から都営バス「豊洲市場」行きにて終点下車。
Information
一般見学者は、市場開放日から午前5時から午後5時まで見学可能
(飲食および物販店舗は各店舗の営業終了時間まで)。
日曜、祝日、その他市場が休みの日は利用不可。
マグロのせり見学には事前申込が必要。(抽選制。詳細はHPで)
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/kenngaku/
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※表示の情報は掲載日時点の情報です。掲載した時点以降に変更される場合もありますのであらかじめご了承ください。
撮影/安部まゆみ 文/丸山こずえ
※当ページのコンテンツは、ベターホームのお料理教室の受講生の方のための会報誌「Betterhome Journal」2019年5月号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。
ベターホームのお料理教室の受講生向け会報誌「Betterhome Journal」
「おいしいって、しあわせなこと。」をキャッチフレーズに、 料理レシピや食についての情報を掲載しています。2019年6月号の特集は「夏野菜で作る10分レシピ」。きゅうり、トマト、なすを使った手軽でおいしいレシピを紹介しています。