富士見堂
ベターホームの先生たちが教室を飛び出し、さまざまな食の現場を訪ねてレポートします。
見学するのは、渋谷教室 冨士貴子先生(写真左)、池袋教室 長谷川敬子先生(写真右)
教えてくれるのは、有限会社 富士見堂 代表取締役 佐々木健雄さん
お米の味のするお煎餅を次世代にも伝えたい
今回訪れたのは、東京都葛飾区にある老舗の煎餅屋「富士見堂」。住宅街に佇むおしゃれな店舗の裏に工場があり、都内では珍しく生地作りから袋詰めまでの一貫製造を行っています。
「お煎餅の原料は、粒が小さかったり割れたりして主食用に適さないくず米や、輸入米、加工用米が一般的ですが、うちで使うのは主食用の無農薬・減農薬栽培のお米。それを玄米で仕入れ、精米しています」
そう話すのは、富士見堂の三代目、佐々木健雄さん。
米菓業界は昔から生地を作る生地屋、焼きと味つけを行う焼き屋、袋詰めして商店に卸す問屋など分業化されていました。しかし、時代の流れとともに廃業する業者が増加。とくに東京は顕著で、焼き屋だった富士見堂では25年ほど前に二代目が生地作りから販売まで行うことを決断しました。そして、「自分たちで生地を作るなら、原料にこだわり、お米の味がする煎餅を作っていこう」と考えたそうです。
国内産品を支援する意味も含め、味つけ用の醤油、副原料の海苔やごまなども吟味した国産品のみ。また、大判の煎餅は職人が手焼きするなど、昔ながらの製法も大切にしています。しかし、米を食べない人が増え、やわらかい食感が好まれる時代の煎餅には工夫も必要です。
「生地の水分を減らして軽い食感にしたり、レモンなど新しいフレーバーを出したり、贈りものにしたくなるパッケージにしたり…。王道の堅焼き煎餅を食べてもらうために、まずは煎餅を口に運ぶきっかけとなる商品作りにも力をそそいでいます」
三代目の名刺には「次の世代に伝えていきたい、お米の味のするお煎餅」の文字が。先生たちも、「教室では米文化にも言及していきたいですね」と、お店のこだわりに共感していました。
1. 米を砕いて蒸す
2. 餅つき機でつく
3. のして型で抜く
4. 第一乾燥
6. 焼き
7. 味付け
「国産素材にこだわることで日本の生産者を支えたいという想いに共感しました。」長谷川先生(写真左)「ごはん用の一等米の精米から始め、職人さんが作りあげるお煎餅は絶品でした!」冨士先生(写真右)
【Data】
富士見堂
東京都葛飾区青戸3-25-7
TEL:03-3604-5648
http://www.fujimidou.com/
Access
京成本線・押上線 青砥駅より徒歩5分
Information
・青砥本店
【営】9:00〜18:00
【休】日曜日
・グランスタ店(東京駅改札内)
【営】月~土・祝日 8:00〜22:00
日・連休最終日の祝日 ~21:00
【休】年中無休
・ソラマチ店(東京スカイツリータウン)
【営】10:00〜21:00
【休】施設に準ずる
・池袋東武店
【営】10:00〜21:00
日・祝日 ~20:00
【休】施設に準ずる
※表示の情報は掲載日時点の情報です。掲載した時点以降に変更される場合もありますのであらかじめご了承ください。
撮影/安部まゆみ 文/横尾久美子
※当ページのコンテンツは、ベターホームのお料理教室の受講生の方のための会報誌「Betterhome Journal」2019年8月号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。
ベターホームのお料理教室の受講生向け会報誌「Betterhome Journal」
「おいしいって、しあわせなこと。」をキャッチフレーズに、 料理レシピや食についての情報を掲載しています。2019年8月号の特集は「うちのカレー」。夏になるとひときわ恋しくなるカレー。ベターホームの先生たちがふだん家で作っているカレーをもとにした6つのレシピと、おいしいアイディアを紹介します。