和食基本技術の会を受講 手塚七永さん
身近な人たちによろこんでもらえるような日々の食事を大切にしていきたい
料理に苦手意識をもつようになったのは、小学校高学年の頃でした。かんたんな卵焼きやホットケーキを作ってみるものの、表面はこげているのに中は生焼けで、「自分には向いていない」と興味もやる気も失ってしまったんです。家では、母や祖母が食事を作ってくれる環境だったので「自分で料理を作れるようにならなくちゃ」というプレッシャーもありませんでした。
そんな私が20代後半になって、料理ができないことをコンプレックスに感じるようになったのは、当時つき合いはじめた彼がとても料理上手だったことがきっかけでした。教室に通う以前にも料理をふるまったことはあるのですが、あまりよい反応をもらえず自信をなくしてしまって…。「彼の前で失敗したくない」という思いもあり、ますます料理を作ることに消極的になってしまったんです。
とくに苦手だったのは「味つけ」と「火加減」。なんとなく味がぼやけてしまうし、火加減も「弱火・中火・強火」の感覚がわからず、こがしてしまいがちでした。今から独学で身につけるのは難しいだろうと思い、一度基礎からしっかり教えてもらいたいと思っていました。
「味つけ」と「火加減」2つの苦手を克服!
そんなときに友人のすすめで体験教室へ。初対面の方々と苦手な料理をすることに不安を感じながらも、思いきって飛び込んでみると、先生はお母さんみたいにやさしくて、教室の雰囲気もよかったので安心して受講を決めました。
実は、教室に通う以前は「大さじ・小さじ」を使う習慣がなく、家にあるカレースプーンで“大さじ1”をはかっていたんです。“塩ひとつまみ”や“適量”という基準もあいまいだったので、「これまで味が決まらなかったのは、このせいだったんだ!」と教室ではじめて気づきました。正しい調味料のはかり方を習ってからは、味つけに不安を感じることは一切なくなりましたね。最初は緊張しましたが、通ううちに雰囲気にも料理にも慣れて、今では友だちもできました。
よろこんで食べてくれる家族の反応がうれしい
教室で習った麻婆豆腐やとり肉のから揚げなどは、自宅で何度も作っています。以前は自分ひとりだけの食事なら買ってすませてしまうことも多かったのですが、今は「家で作ったほうが安くておいしい」と思えるほど意識が変化しました。
家族の反応も以前とは変わってきたように思います。なんとなく「おいしかった」ではなく「また作って!」とリクエストをもらえるように。とくに、教室のレシピで作った「紅白なます」と「えびのつや煮」は好評で、なますはお正月の間じゅう毎日作ったほどです(笑)。
料理を習うきっかけになった彼へ、クリスマスには教室で習ったグラタンと、ローストチキンを作りました。ようやく「おいしい」という言葉を聞けてホッとしています。身近な人からのうれしい反応は「また作ろうかな」という励みになりますね。これからの目標は、日々の食事をレシピを見ずに作れるようになること。決して豪華な料理やめずらしい料理ではなく、家庭の料理をさっと手早く、おいしく作れるようになりたいです。
習ったメニューをアレンジ
<ベターホームより>
何度も作っているとあって、撮影のときに作っていただいた卵焼きもふっくらやわらかでした! これからもますます腕をみがいて、おいしい料理を作り、みんなを笑顔にしてくださいね。
撮影/佐々木実佳 文/堂森香代
※当ページのコンテンツは、ベターホームのお料理教室の受講生の方のための会報誌「Betterhome Journal」2019年10月号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。
ベターホームのお料理教室の受講生向け会報誌「Betterhome Journal」
「おいしいって、しあわせなこと。」をキャッチフレーズに、 料理レシピや食についての情報を掲載しています。2019年10月号の特集は「やさしい台湾ごはん」。日本で手に入りやすい材料を使って、手軽に作れるレシピを紹介します。