<熊本県>太平燕
旅行気分を味わえるのがご当地グルメのよいところ。その土地で人気の名物料理を家庭で作りやすいレシピにしてご紹介します。日本のうまいものを食べつくし!
今回はココ!熊本県熊本市
74万人の上下水道のすべてを天然地下水でまかなう、日本一の地下水都市。日本三名城の一つ「熊本城」は、2016年4月の熊本地震で被害を受けたが、2019年に天守閣が再建の予定。復興のシンボルとなっている。
具だくさんで、見た目はチャンポンのようですが、実は中華めんではなく、春雨が使われています。熊本市内の中華料理店では定番の料理で、学校給食のメニューになるほど愛されている、ご当地グルメです。たっぷりの野菜と豚肉、魚介のうま味が絶妙に合わさり、あっさりしているのにコクのある味わい。スープのうま味を吸った春雨はのどごしがよく、つるつると食べやすい食感です。
中国福建省の郷土料理を日本でアレンジ
太平燕は、元々は中国福建省の郷土料理で、ハレの日のお祝い料理として家庭で食べられていたもの。明治時代の後期に、熊本に移り住んだ華僑(かきょう=外国に移住した中国人)の人々によって伝えられたといわれています。日本では手に入りにくいあひるの卵は鶏卵にするなど、より作りやすいように日本の食材におき換えてアレンジされ、ここ熊本の地で育まれてきました。
スープ、具材はさまざま
スープは塩、しょうゆ、豚骨などのバリエーションがあります。具材は虎皮蛋(フーヒータン)と呼ばれる揚げ卵が添えられることが多いようですが、代わりにゆで卵やうずらの卵が入っていたり、入っていなかったりするなど、店によって千差万別。ここでは、家庭で作りやすい塩味のスープのレシピをご紹介します。手軽に作れるように、具材の種類は少し減らしましたが、スープのうま味は充分。野菜は火を通しすぎないようにし、シャキッとした歯ごたえを残すのがコツです。好みで、最後にゆで卵を加えてもよいでしょう。
材料
【2人分】
・春雨 … 80g
〈具材〉
・豚こま切れ肉 … 80g
・冷凍シーフードミックス … 100g
・かまぼこ(赤) … 50g
・キャベツ … 100g
・ねぎ … 1本
・にんじん(3cm長さ) … 30g
・もやし … 1/2袋(100g)
・きくらげ … 3個(約2g)
・しょうが … 小1かけ(5g)
・ごま油 … 大さじ1/2
[A]
・水 … 700ml
・とりがらスープの素 … 大さじ1
・塩 … 小さじ1/3
・こしょう … 少々
作り方
【1】
きくらげは水に約10分つけてもどす。石づき(かたい部分)をとって、約1.5cm角にちぎる。
【2】
春雨は熱湯で約2分ゆでる。洗って水気をきり、長ければ食べやすく切る。
【3】
キャベツは4~5cm角に、ねぎは斜め薄切りに、にんじんは薄いたんざく切りにする。しょうがはせん切りにする。
【4】
かまぼこは薄切りに、豚肉は大きければひと口大に切る。シーフードミックスは凍ったまま水をさっとかけて水気をきる。
【5】
深めのフライパンにごま油としょうがを入れ、弱火で炒める。香りが出たら、肉を加え、中火で炒める。
【6】
肉の色が変わったら、きくらげ、キャベツ、ねぎ、にんじん、もやし、かまぼこ、シーフードミックスを加え、さっと炒める。A(水700ml、とりがらスープの素大さじ1、塩小さじ1/3、こしょう少々)を加え、煮立ったらアクをとる。春雨を加えて1~2分煮る。塩・こしょう各少々(材料外)で味をととのえる。
※当ページのコンテンツは、「月刊ベターホーム」本誌2017年7月号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。