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中学生の食事

(財)ベターホーム協会では中学生の犯罪が多発し、その原因の一部に食生活の乱れがあるという意見を受けて、実態はどのようになっているのか、原因は何なのかを調べるためアンケート調査を行いました。その結果を別紙「中学生の食事、その問題点は?」にまとめました。

■家族揃って食事をする機会が少なく、親子ともに簡便さに流されている
この調査から、問題点のひとつとして家族が揃って食事をすることが少なく、家族間のコミュニケーションの機会が失われていることがわかりました。その原因は塾通いや部活などで子供が忙しいことです。
「学校から帰るとスナック菓子に清涼飲料水をのんで塾へ。帰宅すると10時、11時。やっと食事をして宿題や勉強をすると寝るのは12時過ぎ。朝は8時20分くらいまでに登校するためぎりぎりまで寝ていて、朝食抜き」。こんな生活では、一緒に食事ができないだけではなく、行儀を教えたり、料理や食べ物のことを教えたり、後片付けをさせたりする生活の教育もできません。また、親や祖父母の世間話から子供は多くのことを学ぶのに、そんな機会もありません。時間的にも、気分的にも、余裕がないことが子供に対する生活の教育の大きな障害となっています。
もうひとつの問題点として、コンビニやファーストフード店でいつでも手軽に食べ物が手に入る環境であるために、親も子も手軽さに流されてしまっている状況が一部にみられました。場所も、時も選ばず、自分の好きなものを食べたいだけ食べてしまう子供、それを容認する親。そこには、食に関するしつけや教育は機能していません。さらには、親自身が子供の弁当をコンビニに頼っているケースさえあります。食事の大切さがわかっていないのか、忙しいのか、簡便さに流されてしまっている親の姿が見られます。

■親は子供のために努力を。家庭の食卓をもっと大切にしよう
今回の調査では、偏った食事が脳の働きや、体調を崩し、その結果、中学生が犯罪を起こしているのかどうか、そこまではわかりません。しかし、栄養、食文化、食を通じてのコミュニケーションなどについて、家庭の教育機能が相当低下していることはわかりました。
それは、社会全体の余裕のなさの結果です。だからといってこのままでいいわけはありません。食べ物は体と心を作る基本だからです。 ベターホーム協会は子供がまだ成長過程にいるうちは、家で作る料理をもっと大切にすること、意識して子供たちに食べ物の教育をするよう呼びかけたいと思います。 まず手始めに、子供がこれまで朝食を食べていないときは食べさせる、子供が家にいる日は父親も早く家に帰って子供と食事を共にする、少し早起きして弁当を作ることをいとわない、子供に台所仕事を手伝わせる、親自身も食べ物や栄養の勉強をする、子供が何を食べたり飲んだりしているかを把握し菓子や清涼飲料を無制限に与えない、そしておいしい料理を作って家族を喜ばせる、など姿勢を正した親の努力が事態を少しずつ好転させることでしょう。現在は不況のために、各家庭も外食が減り、家で過ごすことが増えています。これを好機ととらえ、家で食べるご飯を充実させることにしてはどうでしょうか。

中学生の食事、その問題点は?


調査目的
 中学生の犯罪が多発する原因のひとつに「偏った食事のせいではないか」という指摘があります。(財)ベターホーム協会は「食の啓発団体」として活動を行ってきました。もし上記の論が事実であるなら、ベターホーム協会としてなんらかの取り組みをする必要があります。
そこで中学生の食事にはどのような問題点があるのかを把握するために、アンケート調査を行いました。

調査対象と年齢
1.中学生を持つ母親135人
(平均年齢・42.6歳)
35〜39歳40〜44歳44〜50歳合計
8人99人28人135人

2.中学生(上記の母親の子供)145人
(男子81人・女子64人)
1年生2年生3年生合計
34人54人57人145人

3.中学校の教師34人(主に家庭科担当者)

調査地域
東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・福岡

調査時期
1998年3月

調査方法
1.中学生を持つ母親135人はベターホーム協会で活動する女性。アンケート用紙を手渡しし、自宅で記入の上、返送してもらいました。
2.中学生145人も、母親と同様、自宅で記入の上、返送してもらいました。
3.中学校の教師34名には、アンケート用紙を自宅に郵送し、記入の上、返送してもらいました。



調査のまとめ

家族が揃って食事をする機会が少ない


母親対象のアンケート結果では、1週間のうちで家族が揃って食事をする回数は朝食、夕食ともに2回が最多(朝食25.9%。夕食39.3%)。1週間のうち、2回しか揃わないというのは少ないと言えるだろう。
また、教師対象のアンケートでは現在の中学生は「家族揃って食事をしないので、家族の団欒というものがない」と答えた教師は72.7%と多い。
母親、教師双方の回答から、家族が揃って食卓を囲むことが少ないことがわかった。

家族が一緒に食卓を囲むということは、その場が家族間のコミュニケーションの場であるということを意味する。また、食事のマナーや、食べ物について自然に学ぶ場でもある。単に物を食べる場というだけではない。家族がばらぱらに食事をするのでは、家族が顔を合わせるときがなく、コミュニケーションができない。
母親の意見では、63.0%が中学生の犯罪多発の原因の一部には食生活の乱れが関係していると思うと答えているが、食事の内容や栄養の偏りよりは、食事を囲む団欒の欠如が、子供の心を不安定にしているのではないかという意見が多かった。教師はさらに多い75.8%が食生活の乱れが犯罪多発の一因になっていると答えている。また、食生活に関してしつけや教育がなおざりな家庭は、「成績だけを最重視して、生活に関するしつけや教育を軽視しているから」と答えた教師が72.7%と厳しい見方をしている。

家族が夕食に揃わない理由は、子供が塾に通うので通常の食事時間に家にいないことが大きい。また、父親や母親の帰宅が遅いこともあるであろう。朝食に揃わない理由は、子供が部活の朝練で早朝に家を出ること、夜寝るのが遅く、寝坊をして朝食を食べないこと、父親が通勤のため早く家を出ることなどがある。

みなが時間の余裕を持ち、家族の団欒を取り戻すためには、子供は塾通いをやめる、親は長時間労働をやめて夕食の時間には必ず帰宅する、職住接近を計る、ということになる。果たしてそれは可能であろうか。塾通いをやめることは、成績や学歴についての価値観に大きな転換がない限り、実現しないであろう。親の働き方も個人レベルの努力だけではむずかしい。社会全体が仕事よりも生活を重視するように変化しなければ、家族の団欒は戻ってこないだろう。

今は手軽に食べ物が手に入る環境。親も子もはその手軽さに流されている

教師に対するアンケートでは、現在の中学生は「清涼飲料水やスナック菓子、インスタント食品を食べ過ぎる69.7%」「夕食をコンビニやファーストフードですませてしまう36.4%」という見方だった。
現在の中学生は生まれたときからコンビニもファーストフードもあった世代。親が子供の食生活を放置していると、いつでも、どこでも、なんでもコンビニで買って食べてしまう。「1日3回食事をするという概念が薄れている36.4%」とまで指摘されている。いつでも、何でも食べ物が手に入るから、食べ物の価値が下落して、中には「食べるのがめんどう」「食べることに興味がない」と言う子供までいるそうだ。それは「食べ物を大切にしない48.5%」という数字にも現れている。

しかし、子供がそうなってしまったのは子供の責任ではないはずだ。自由に記入してもらった欄からは、母親、教師、双方から驚くような事例がたくさん寄せられた。朝食をまったく作らない親、朝食がケーキだけの家、弁当を作ってやらないので子供は昼食をパンとジュースですませたり、コンビニのおにぎりだけですませたりする例など。親が手軽さに流されて、食事作りを放棄してしまったら、子供は自分の食べたいものだけを買って食べるだろう。

極端な事例だけを取り上げることは適切ではないが、それにしても子供の成長過程で体と心を作る食べ物を、親が果てしなく手抜きをすることは一生の禍根を残すことになりかねない。親も日々の生活に追われ、忙しいのはお互いだが、子供の成長期を共に過ごすのは人生の中の一時期。ひとがんばりして、子供の食事をきちんと用意してやりたいものだ。


※以下の表の数字はすべて%です。

中学生を持つ母親に対する質問

1. あなたの家では家族が揃って食事をするのは週に何回くらいありますか?
0回1回2回3回4回5回6回7回
朝食17.016.225.93.74.47.49.615.5
夕食0.09.639.320.78.98.97.44.4
※全体として家族揃っての食事は朝夕ともに1番多いのは週に2回。週に4回以上となると少なくなる。
※朝食の場合は、揃って食べることがまったくないと答えた人が17.0%いた。しかし毎日揃って食べる家庭も15.5%ある。
※朝食に家族が揃わない理由として、子供のクラブ活動の早朝練習、父親が早く家を出る、子供が寝坊する、などがある。

2.あなたは自分の子供に対して食生活の教育やしつけを意識して行っていますか?
1.している74.1
2.しなければと思っているが、なかなかできない20.0
3.特に意識はしていない5.9
※7割以上の母親が「している」と答えている。

3.どのような方法で子供の食教育をしていますか。<複数回答>
1.一般的な食事の行儀を教える85.9
2.折りにふれ、食品の栄養価などについて話をする81.5
3.食事の後片付けをさせる77.0
4.料理を手伝わせる60.7
5.食品の買い物を頼む54.1
※総じて高い数字となった。特にマナーや栄養の話などは意識して行われている。
※ しかし実際に買い物をさせたり、片付けをさせるなど、子供に何かやらせるとなると、数字がやや下がる。

4.あなたの食教育は成果をあげていますか?
1.成果をあげているかどうかよくわからない43.7
2.成果をあげていると思う81.5
3.うまくいっていない12.6
※2の質問では、7割以上が「食生活の教育やしつけを意識して行っている」と答えた母親たちだが、「成果があがっている」「わからない」という人がほぼ半々。
※食教育は、点数で成果が出る類のものではなく、結果がすぐにわかるというものでもないので「よくわからない」という回答も納得できる。

「4.でうまくいっていない」と答えた人への質問
5.うまくいっていないのは、なぜですか?<複数回答>
1.料理を手伝わせたり、教えたりする時間がとれない76.5
2.子供に興味がなく、言っても嫌がる47.1
3.一緒に食事をする機会が少ない17.6

「5.で時間がとれない」と答えた人への質問
6.時間がとれないのは、なぜですか?<複数回答>
1.部活や塾などで子供があまり家にいない100.0
2.母親と生活時間帯が合わず、ちょうどよい機会がもてない76.9
3.夕方は子供も疲れているので料理を手伝わせるのはためらわれる30.8
※食教育がうまくいかない最大の原因は、子供が忙しいこと。親子ともに時間に余裕がなければ家庭での教育、しつけは不可能だ。

7.他の家の子供の食事で驚いたり、あきれたりした例があったら記入してください
1.食事中、飲み物としてジュースを添える15人
2.食事がカップラーメンだけ12人
3.学校に持参する昼食に、コンビニエンスストアで買った弁当をそのまま持ってくる12人
4.スナック菓子やケーキを朝食がわりにする7人
5.子供が無理なダイエットを実行している6人
6.夕食がコンビニのおにぎりのみだったり、ファーストフードですませてしまう5人
※ これは一部の例で、このような家庭が多いというデータではない。しかし、ある程度の実態は映しているだろう。
※ ここにあげられた事例からは子供の好き嫌いがそのまま通ってしまう家庭のありようと、親が子供に食事を用意することを放棄してしまった姿がかいまみられる。
※ 弁当の例では「納豆1パックに白いごはんだけの弁当」「弁当箱いっぱいにスイートポテトをつめただけの弁当」など驚くような例も挙げられていた。弁当はその家庭の食生活のありようをよく映している。
※ スナック菓子の中でも、ポテトチップスはじゃがいもからできているので、朝食にいいと考えている母親もいたそうだ。これらの極端な例には「栄養バランス」という観念がいちじるしく欠如している。

9.中学生が犯罪を犯したり、精神的に不安定なのは、一部には食事のあり方にも原因があると思いますか?
1.原因の一部になっていると思う63.0
2.どちらともいえない33.3
3.それが原因になっているとは思えない2.2
4.無回答1.5

この件についての意見
1.食事の内容だけでなく、家族揃っての団欒・コミュニケーションが大切 68人
2.食事に作り手である親の愛情がこもっていれば、子供にも伝わり精神的に安定する26人
3.忙しい現代では、団欒や心のこもった食卓のためには、親が意識して努力しなければならない23人
4.今の中学生の食事は、空腹を満たすためだけの「食餌」になっているが、本当の食事とは、心も満たすことだ20人
※ 半数の母親が、家族の団欒の大切さをあげている。しかし現実には家族揃って食事する回数は少ないのが現状である。(質問1参照)
※ 母親の意識は、「栄養がいちじるしく偏った食事しかしていないと脳に障害をきたす」というよりは、「親が心を込めて用意した食事を家族で囲むことが、コミュニケーションを生み、子供の心が安定する」という認識。
逆にいうと、「親がきちんとした食事を用意せず、家族で食卓を囲むこともなければ、子供は親の愛情を感じることができず、心が不安定になる」ということになる。

10.子供たちの食生活の乱れは、どのようにすれば改善されると思いますか?
<自由に記入してもらった内から似た内容のものをまとめました>
1.まず親がしっかり食事の大切さを認識すべきである30人
2.子供たち自身に食事の大切さをもっとしっかり教える24人
3.子供は料理作りが好き。だから子供たち自身にも料理をさせる17人
※親が食事の大切さを認識することが第一歩。同時に子供たちにきちんと教える親の姿勢が必要だ。どちらも今日からすぐにでもできることである。
※ 子供は料理が好きだ。「家庭科の調理実習の前日は、予習までしている」という声もあった。家庭でも子供たち自身にもっと料理に取り組ませたらよいだろう。

[そのほか、アンケートに記入されていた内容から]

※家庭の中で、子供がお客さま化しているように思います。学校や塾で忙しいとはいえ、自分で料理ができればいいのだと思います。中学生自身に調理技術が身につけば、ストレスの発散もできて、家族からも感謝されれば一石二鳥です。親の意識として、勉強第一主義を捨て、子供にもっと料理を教える努力を、と思います。(46歳・子供中学2年男子・東京)

※現代型栄養失調ということばとおりの、高カロリー・ビタミン・ミネラル不足の食事のしかたをしていると、脳に必要な栄養がいかず、キレる状態につながると聞きました。家族全員が揃っての食事が少なくなり、各自勝手に好きなものを食べていたら、身体も心もどうなることか不安になります。(46歳・子供中学2年男子と3年女子・大阪)

※中学生に「あなたはキレますか?」と聞いたら、「キレる」と答えるかもしれません。「ナイフを持っている」と答える子もいるでしょう。でも、多くの中学生は頑張っていると思います。問題は、親がどこまで子供のSOSに気づいているかの点です。(42歳・子供中学3年男子・仙台)

※親とすれ違いになっても、コンビニで買う物より、お母さんの作ったおにぎりが待っていると思う心の有り様が大切だと思う。子供だけでなく、大人もできあいの食品を買ったり、外食したりすることに少しは抵抗感をもって、家族のよりどころとなる家庭、エネルギーとなる食事の大切さを再確認すべきだ。(39歳・子供中学2年男子・千葉)

※知り合いのお子さん、身長150cm体重60kg近くの体形(いわゆる肥満)であったにもかかわらず、親の意見が「どうして好きなものを食べさせてはいけないのですか?いつも塾などで忙しくしているので、食べるものくらい好きなものをどんどん食べさせてあげたい」という人がいました。まずは親の意識を変えなくては!(38歳・子供中学1年女子と3年女子・埼玉)

※家族は一緒に過ごす時間を、5分でも10分でも、一日のうちに何度かもつことがとても大切なのではないだろうか。犯罪を犯す子供は、すべてがそうだとはいえないと思うが、家族のぬくもりをあまり感じることなく、育ってきてしまった子が多いように思う。(42歳・子供中学1年男子・札幌)

※食生活が乱れていることは、食事だけでなく生活全体が乱れている事が多く、まず生活全体を見直すことが大切だと思う。(47歳・子供中学3年女子・京都)

※家庭を維持していくのには、さまざまな家事が必要です。洗濯は全自動で掃除も時々。でも食事は作業ではなく、健康を維持し家族が集う場であると思います。栄養の偏りだけでなく、心のバランスを整えていく場でもあると思います。他の家事と同じように合理性や簡便さだけを求めることに問題があるように思います。(42歳・子供中学2年女子・名古屋)

中学生に対する質問

1.あなたの中学で朝食を食べてこない人はいますか?
1.少しいる64.8
2.たくさんいる19.3
3.あまりいない4.2
4.わからない11.7
※少しいる、たくさんいるを合わせると84.1%にものぼる。いまや朝食を食べない中学生は、どこのクラスにもいる当たり前の風景になっている。

2. あなたは朝食を食べていますか?
1.朝食は必ず食べる86.2
2.たまに食べないことがある11.0
3.ほとんど食べない2.8
※このアンケートに答えた中学生は全員、ベターホーム協会で活動している女性の子供。したがって、充実した食生活をおくっている家庭の子供が多い。一般の中学生に比較して、朝食を食べる割合は高いと思われる。

朝食を食べないことがある人に質問
3.朝食を食べないことがある人だけ答えてください。朝食を食べないのはなぜですか?
1.起きるのが遅いので食べる時間がない75.0
2.食欲がない20.0
3.習慣になっている5.0
※「朝食をたまに食べないことがある。」「ほとんど食べない」と答えた人は合わせて13.8%。
※起きるのが遅くて食事ができないのは、寝るのが遅いから。生活リズムの乱れが原因である。

4. あなたの友人に夕食をコンビニ弁当やファーストフードですませる生徒はいますか?
1.いる40.0
2.いない9.0
3.わからない51.0
※ このデータからは、家で食べているのか、店で食べているのか、ひとりなのか、友達となのか、どんな状況で食べているのかわからないが、かなりの子供が夕食にコンビニやファーストフードを利用しているようだ。

5.次のことを知っていますか?
1.朝食を食べないと脳の働きが低下する86.9
2.鉄分が不足すると貧血になり、元気が出ない78.6
3.野菜が不足すると便秘になり、ニキビができやすくなる66.9
4.ミネラルやビタミンが不足すると、ちょっとしたことで怒ったり、たえずイライラしたりする65.5
5.インスタント食品、スナック菓子、清涼飲料水を多くとっている人はミネラルやビタミンが不足しがちである60.0
6.250gの缶入りの清涼飲料水には約30gの砂糖が入っている29.7
※ 意外に高い認識率であった。この子供たちの母親の81.5%が「折りにふれ、食品の栄養価などについて 話をする」と答えているので、その成果であろう。
※ 缶入りの清涼飲料水に入っている砂糖の量を知っている子供は少なかった。30gと聞いても実感がわかないかもしれないが、5g入りのスティックシュガー6本分といえば、みな驚くはず。だから、1日に何缶も飲んだり、ペットボトルからがぶ飲みしたりするべきではないことを、親は教えなければならない。

中学校の教師に対する質問

1.中学生が犯罪を犯したり、精神的に不安定なのは、食生活の乱れにも原因があると思いますか?
1.原因の一部になっていると思う75.8
2.どちらともいえない24.2
3.それが原因になっているとは思えない0.0
※ 「原因になっているとは思えない」と答えた人は皆無。
※ 母親への同じアンケートの結果は、(1)63.0、(2)33.3、(3)2.2。母親よりも、教師のほうが食生活の乱れを深刻にとらえているのがわかる。

2.中学生にあてはまるものはどれですか?<複数回答>
1.家庭で料理や片づけを手伝うことがない78.8
2.朝食を食べてこない75.8
3.家族揃って食事をしないので、家族の団欒というものがない72.7
4.清涼飲料水やスナック菓子、インスタント食品を食べすぎる69.7
5.食べ物を大切にしない48.5
6.夕食をコンビニやファーストフードですませてしまう36.4
6.1日3回、食事をするという概念が薄れている36.4
8.栄養バランスのとりかたについて知識がない30.3
9.食事らしい食事は給食だけ21.2
※子供の食生活について教師はかなり危機感を持ってみているようだ。
※このほか、朝食を食べてこない子供は午前中ボーッとしているという記入も目立った。

3.学校でもっと食教育に取り組むことはできますか?<複数回答>
1.学校で食教育にさらに取り組むことはできる45.4
2.学校で食教育にさらに取り組むことは難しい18.2
3.これは学校で教えることというより家庭の教育の問題である36.4
※学校でもっと教育する余地はあるかもしれないが、生活の場はあくまで家庭。子供に食事を用意してやり、子供がひとり立ちできる力を培うのは家庭の役割である。学校の教育と家庭のしつけの両輪が機能するのが理想であろう。

4.家庭では食事に関する基本的なしつけや教育がされていると思いますか?
1.家庭によって差がある78.8
2.しつけや教育は不足している21.2
3.しつけや教育はされている0.0
※親が意識して食教育を行っている家庭もあれば、野放しの家庭もありで、差があるのは当然であろう。しかし、家庭ですべきレベルのしつけまで、学校にゆだねようとする父母が近年ふえてきているという意見もあった。

5.食に関してしつけや教育がなおざりな家庭はなぜだと思いますか?<複数回答>
1.成績だけを最重視して、生活に関するしつけや教育を軽視しているから72.7
2.親自身に食事の重要さの認識や栄養の知識がない54.5
3.親が子供と一緒に食事をする機会が少ないから51.5
4.料理や家事を手伝わせないから39.4
※ 母親へのアンケートでは「自分の子供に対して食生活の教育やしつけを意識的に行っている」と答えた人は74.1%。教師の見方とかけはなれている。
※ 教師の意見は厳しいが、親からすると、「子供は塾や部活で忙しく、あまり家にいない。時間がとれない」というのが現状だ。
※ また、「家族一緒の団欒」といっても、家族と一緒に夕食をとれるように帰宅する父親がどれほどいるだろうか。1週間のうち、家族が揃って夕食をとる回数は「2回」が一番多く、39.3%というのが現状である。

[そのほか、アンケートに記入されていた内容から]

※食事点検をすると、1日の中で野菜らしいものを一度も口にしない生徒が、クラスに2〜3人いる。また、ある程度、決まった時間に食事をするという概念も薄れている。(福岡)

※昼食が弁当でなく、パンとコーヒー牛乳やジュースといった生徒が、40人クラスで多いときで10人近くいる。食事によって栄養が満たされるだけでなく、心が満たされるという大きな役割があるわけで、これがおろそかにされている現実は大きな問題である。(大阪)

※食に対しての関心がうすれている。「ビストロスマップ」や「料理の鉄人」も、「自分でも作ってみたい」と頭の中であれこれ考えるだけ。「手軽にすぐ食べられる」ということが一番重要で、楽しい食事とはかけはなれ、エサ的な感覚が強いと思われる。(東京)

※親が食教育の必要を強く認識していても、現実に仕事が長時間、過密労働になり、帰宅が遅かったり、疲れがひどいと大切な食事作りに時間がとれない。親の仕事の関係で夕食を子供だけで弁当屋の弁当やインスタントものですませている家庭が増えている。(大阪)

※大切とはわかっていても、親自身が忙しくて、食事の仕度や子供との会話に時間をかけられない家庭がふえている。手軽に食べられるものが増えて、手間をかけずにお金で楽にすませてしまう傾向がある。(東京)

※食生活が乱れていたからといって犯罪には結びつかないだろうし、家庭状況、地域環境もからんでいると思う。しかし、我校の生徒を見ていると、食生活がしっかりしている子は、落ち着いている子が多い。(名古屋)

※塾に通う子は、スナック菓子、清涼飲料を飲んで、塾に直行。帰宅すると10時半、11時になり、やっと食事をすることになる。宿題、勉強などすると就寝は12時過ぎ、朝はギリギリまで寝て、食べる暇がなく、朝食ぬきという食パターン。昼はパン、おにぎりですませている子供も多く、弁当を作ってやらない母親が増えてる。料理名をほとんど知らない子が多い。(大阪)

※基本的な生活習慣が身についていない中学生もいる。その際たるものが食生活。食べ物が豊富にあり、すぐに手に入る状態なので、のどが渇けば自動販売機やコンビニでジュースを買う。時間や場所も考えずにガムやあめなどお菓子を食べる。がまんすることをしないで欲求を満たしている。マナーも考えない行動をとる。栄養のかたよりや、糖分のとりすぎなどで、精神的にイライラしてくると思う。(大阪)

※給食の指導では栄養バランスよりも、残さず食べることが指導の中心になる。昔と違い、食の細い生徒がいるので、配膳された量を全部食べる指導というより、自分が食べられる量を考えて、残さないようにするという指導が多い。また、塾通いのために夕食が早いか、遅いかどちらかになっている。そのためコンビニなどで夜食の買い食いが多くなっている。(大阪)

※三食を大体同じ時間に家族と食べるなど、基本的と思われることがいい加減になり、食べたい時に食べたい物を食べるなど、子供の好みに偏った食生活内容が目立つ。また、昼食として手作りの弁当が用意できる家庭はおおむね食事内容も良好と思われるが、パンやコンビニ食品を昼食とする子供の家庭は親の食生活への関心が低いように思われる。食生活が乱れている(朝食を食べない、昼食が甘い菓子パン、清涼飲料水などに偏るなど)子供は生活面でも問題行動が目立つ。親が子供の指導ができない家庭も目立つ。(大阪)

※保護者の子供への配慮は、食生活によく表れると思う。(大阪)

※食生活の乱れている子供たちは、保護者自身の生活も乱れている場合がある。(大阪)

※給食で毎日気になるのことは、残食、特に野菜の残食の多さです。家庭では「嫌いなので、食べていない」と言っており、「食べる努力」はしていないようです。ある女生徒は給食で出された「はっさく」を「家で食べたことがない」と言い、もちろん食べませんでした。この子供たちがあと何年後かに、親となり子育てをする頃には、どんな食生活になるのかと思うと恐ろしいです。 「豊かな食生活」という言葉を耳にすることが多いのですが、「豪華」なことが「豊か」なのか疑問に思う毎日です。(大阪)

※家族で食卓を囲む→会話がはずむ→作ってくれた人への感謝・手伝う気持ちが生まれる。これらがある家庭は、相手の気持ちを理解できる人間関係があるのではと思う。(東京)

※中2女子の例。遅刻の多い生徒でいつも顔色が悪く、だるそうに体調不良を訴えることが多かった。原因は寝坊、朝食抜きのようであった。ところが、3泊4日の修学旅行に行った際には寝坊はなし、そして何よりも朝食をおいしそうに何膳もおかわりをした。もちろん、この4日間は朝から健康そのもので体調を崩すことなく過ごすことができた。家にいるとき、母は朝食を作らなかった。また、その他の食事もほとんどが冷凍食品だったという。この話を本人から聞いたとき、やはり家庭での食生活は子供の成長の上で情緒、健康面での重要さを痛感した。(東京)

※共働きが多い地域のせいか、経済的には豊かであるが、親子が関われる時間が少ない。だから食生活を通しての親子のコミュニケーションが少ない。また、手軽に食べ物にありつけるので食事についての関心は全体的に薄れている。子供はもともと食に関して興味があるはずなのに、家で手伝いをする子が少なく、残念なことだ。成績重視の教育から、もっと生活でも自立できるような教育をするべきだとつくづく思う。(東京)

以上


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