- ■調査目的:
- 高齢化、少子化、女性の社会進出という背景を持つ現代、男女ともに料理は必須の生活技術です。しかし現在、ベターホームの料理教室に通う男性を見回すと、60代以上が60.2%と大きな割合を占めています。これからは高齢の男性だけではなく、仕事を持っている男性たちも、もっと料理ができるようにならなくては、明るい未来はありません。そこで料理教室に通っている20〜49歳の男性たちにアンケートを行い、実態を調査しました。
- ■調査結果のまとめ:
- 料理を習おうとする男性の3分の1は初心者でした。しかし、だからこそ、料理にチャレンジしたいという新鮮な意欲は大。仕事をやりくりして、教室に明るく通う姿が明らかになりました。また、まわりの評判も上々です。一部変わり者扱いをされたり、女性の迷惑を感じたりすることもありますが、料理の楽しさを知り、食に対する関心が高まるなど、総じてメリットが多く、満足していることがわかりました。男性にとって料理を習うことが、特別なことではなくなってきているという手応えを感じられる結果となりました。
- ■調査対象:
- ベターホームの料理教室を受講中の20〜49歳の男性受講生 219名
- ■調査地域:
- 首都圏・京阪神・名古屋
- ■年代構成:
-
|
人数 |
% |
既婚者の割合(%) |
20代 |
36 |
16.5 |
13.9 |
30代 |
96 |
43.8 |
47.9 |
40代 |
87 |
39.7 |
75.9 |
全体 |
219 |
100.0 |
53.4 |
- ■調査時期:
- 2001年12月
- ■調査方法:
- アンケート用紙を料理教室で配布して、その場で記入してもらいました。
- 以下の表の数字はすべて%です。
- 1.お勤め先の業種、職種をお聞かせください。
業種 |
% |
製造業 |
32.9 |
公務員・団体職員 |
18.3 |
その他 |
17.3 |
商社・流通・小売 |
9.6 |
金融・保険・不動産 |
5.9 |
食品・飲料関係 |
5.0 |
医師・医療関係 |
4.6 |
マスコミ・広告 |
3.6 |
学生 |
1.4 |
無職 |
0.9 |
無回答 |
0.5 |
- 製造業は業務内容が多岐にわたるため、多数になったが、年代を問わず多かったのは公務員・団体職員。教室に通いやすい職場環境なのかもしれない。
- 食品・飲料関係は業種を絞っているにも関わらず、占める割合が大きく、なかでも若い人が多かった。仕事のための勉強という目的をもっての受講であろう。
- 2.料理を習おうと思ったきっかけは?(複数回答)
きっかけ |
% |
既婚者 |
未婚者 |
1,家族、友人にすすめられて |
44.3 |
55.6 |
32.0 |
2,料理にチャレンジしたかった |
41.6 |
37.6 |
46.0 |
3,趣味のレベルアップ |
27.9 |
25.6 |
29.0 |
4,生活上、必要に迫られて |
10.0 |
6.8 |
14.0 |
5,仕事上、必要になって |
7.3 |
7.7 |
7.0 |
5,その他 |
2.7 |
2.6 |
3.0 |
- 2,「チャレンジしたかった」と、全体的に本人の意欲が高いのが特徴。なかでも、未婚者は積極的。
- 「本人の意欲+周囲の後押し=受講」というパターンがあるようだ。
- 1,「家族、友人にすすめられて」については既婚者と未婚者に、大きく差があらわれた。共働き家庭が増えているなか、妻に背中を押される人が多いのだろうか。
- 3.あなたが料理教室に通っていることをまわりの人は知っていますか?
|
% |
既婚者 |
未婚者 |
1,知っている |
81.3 |
82.9 |
81.0 |
2,知らない |
18.3 |
17.1 |
18.0 |
3,無回答 |
0.4 |
0.0 |
1.0 |
- ひと昔前は「周囲には内緒で通っている」という人も見られたが、今回の調査では堂々と料理教室に通う姿が明らかになった。既婚者、未婚者による差もあまりなく、男性が料理教室に通うことはふつうの光景となってきた。
- 4.(3.で「まわりの人は知っている」と答えた人のみ)
まわりの反応はどうでしたか?(複数回答)
|
% |
既婚者 |
未婚者 |
1,評判がいい |
56.2 |
68.0 |
42.0 |
2,一目置かれるようになった |
19.1 |
16.5 |
22.2 |
3,反応なし |
15.7 |
13.4 |
18.5 |
4,私も通いたいと言われた |
14.0 |
13.4 |
14.8 |
5,変わっていると思われた |
13.5 |
7.2 |
21.0 |
6,その他 |
3.9 |
3.1 |
4.9 |
無回答 |
1.1 |
1.0 |
1.2 |
- 周囲には好評。やはり、料理をする男性は人気がある。
- しかし独身で料理教室に通っている場合、まだまだ珍しい存在と思われることも。
- 5.料理教室に入った当時、あなたの料理のレベルは?
|
% |
既婚者 |
未婚者 |
1,かんたんな料理1,2品はつくることができた |
48.9 |
47.9 |
51.0 |
2,全くしたことがなかった(できなかった) |
33.3 |
31.6 |
36.0 |
3,日常の食事は自分でつくれる |
12.8 |
16.2 |
8.0 |
4,自作の料理で人をもてなすことができる |
4.6 |
3.4 |
5.0 |
無回答 |
0.4 |
0.9 |
0.0 |
- 全くしたことがなかった人が約3分の1。しかし、半数以上の人は、多少は経験あり、と心強い回答だった。
- なかでも既婚者のほうが、もともと料理に親しんでいたようだ。結婚を機に日常の家事に参加するように変化するのか。
- 6.料理を習うようになって、よかったことは?(複数回答)
|
% |
既婚者 |
未婚者 |
1,料理の楽しさを知った |
51.6 |
45.3 |
59.0 |
2,食全般に関心を持ちはじめた |
44.3 |
50.4 |
36.0 |
3,気分転換の場ができた |
42.9 |
39.3 |
48.0 |
4,家族に喜ばれた |
34.7 |
51.3 |
16.0 |
5,仕事以外の充実感が得られた |
25.6 |
23.1 |
29.0 |
6,普段から料理をするようになった |
15.1 |
19.7 |
10.0 |
7,健康の維持・増進に役立った |
10.0 |
6.8 |
14.0 |
8,外食が減った |
7.8 |
5.1 |
11.0 |
9,仕事以外の人間関係ができた |
5.9 |
3.4 |
9.0 |
10,仕事に役立った |
4.6 |
5.1 |
4.0 |
11,その他 |
4.6 |
1.7 |
7.0 |
無回答 |
0.9 |
0.9 |
1.0 |
- 未婚者は、これまで料理ができず、やむなく外で食事していた場合もあり、自分で作って食べられることは自分の体にもいいことだと考えている様子。既婚者の場合、普段から料理をするようになり、食に対する関心が高まった。半数以上が家族に喜ばれているのは、うれしい結果。
- 習い事自体、仕事から離れての気分転換として役立つものだが、とくに料理は創造的な作業。仕事以外の充実感さえ感じている。
- 仕事以外の新しい人間関係では、料理教室で結婚相手を見つけたという人も。
- 7.女性と同じテーブルで受講する事に抵抗はありますか?
|
% |
既婚者 |
未婚者 |
1,まったくない |
49.3 |
43.6 |
56.0 |
2,多少ある |
40.6 |
46.2 |
34.0 |
3,避けたい |
2.3 |
2.6 |
2.0 |
無回答 |
7.8 |
7.6 |
8.0 |
- 8.(7.で女性と同じテーブル、クラスの受講に抵抗が「多少ある」「避けたい」と答えた人のみ)
抵抗が多少ある、避けたいという理由は?(複数回答)
|
% |
迷惑そう |
38.3 |
実習しづらい |
25.5 |
恥ずかしい |
24.5 |
無回答 |
10.6 |
その他 |
5.3 |
- 未婚者のほうが、多少年代が若いせいか、こだわりがなかった。抵抗を感じる人に理由を聞くと、自分がどう思うかより、女性の受講生の迷惑になっているようだと考えている。やはり、女性の中に男性が混ざるのは気が引けるようだ。
- 男性だけの実習のほうが気楽、という人もいれば、女性と一緒だからスムーズに進むという人も。どちらにせよ、料理を習うという目的は同じ。男女とも、こだわりなく、どんどん料理教室に参加してもらいたい。
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