「糖尿病・肥満を予防する料理読本」を発行しました。
- ■調査目的:
- いまや国民病となった糖尿病。現在、患者と予備軍を含めると、1620万人にものぼると推計されています。これは成人の6.3人にひとりという高い率。しかも、患者数は増え続け、子どもにまで広がっています。糖尿病の予防に重要な役割を持つのが正しい食生活です。ベターホーム協会は、国民の糖尿病予防に貢献するため、「糖尿病・肥満を予防する料理読本」を発行しました。発行に先立ち、女性は糖尿病に対してどの程度の知識を持っているのか、また生活の実態はどのようなものなのかを調査しました。
- ■調査対象:
- ベターホームの料理教室を受講中の20〜60代の女性427名
- ■調査地域:
- 東京 大阪 名古屋 札幌 福岡
- ■年代構成:
-
全体
|
20代
|
30代
|
40代
|
50代
|
60代
|
427
|
86
|
131
|
57
|
84
|
69
|
- ■調査時期:
- 2004年3月
- ■調査方法:
- 料理教室でアンケート用紙を配布し、その場で記入してもらいました。
- ※数字はすべて%・無回答者の数は入っていません。
- 1.あなたにあてはまるほうを選んでください
@健康診断などで血糖値が高いと言われたことがありますか?
|
全体
|
20代
|
30代
|
40代
|
50代
|
60代
|
ある
|
5.2
|
2.3
|
2.3
|
3.5
|
13.1
|
5.8
|
ない
|
94.8
|
97.7
|
97.7
|
96.5
|
86.9
|
94.2
|
・ 全年代の中で「ある」と答えた人は全体の5.2%。20人にひとりの割合にあたる。
・国の調査と比較するとベターホームの調査のほうが、割合が低い(参考資料P.7)。これは、料理教室に通っている人を対象にした調査なので、ある程・度食生活に関心が高い人たちだから割合が低いのかもしれない。また、健診を受けていない人が多い可能性もある。
・突出して多かったのが50代で、13.1%の人が血糖値が高いと指摘されている。13.1%はおおむね8人にひとりの割合。健診を受けていない人がいることも考えれば、実際にはもっと多いかもしれない。
A自分が糖尿病かどうか気になりますか?
|
全体
|
20代
|
30代
|
40代
|
50代
|
60代
|
気になる
|
36.5
|
24.4
|
33.6
|
35.1
|
58.3
|
31.9
|
気にならない
|
62.3
|
75.6
|
66.4
|
64.9
|
40.5
|
62.3
|
・やはり50代の関心がいちばん高く、58.3%の人が気にしている。
・全体では気にしている人の割合は36.5%。関心が高いと言ってよいだろう。
・特に20代の女性でさえ24.4%が気にしているというのは、糖尿病への関心の高さがわかる。
2.正しいと思うものに○をつけてください。
|
全体
|
20代
|
30代
|
40代
|
50代
|
60代
|
@糖尿病にかかる年齢は
若年化しつつある
|
97.4
|
100
|
97.7
|
100
|
94.0
|
95.7
|
A糖尿病にかかると
一生コントロールが必要である
|
90.4
|
84.9
|
93.9
|
87.7
|
90.5
|
92.8
|
B糖尿病になっても5〜10年は自覚症状がないことがある
|
87.1
|
88.4
|
84.7
|
94.7
|
85.7
|
85.5
|
C糖尿病、またはその予備軍は6.3人にひとりである
|
76.1
|
79.1
|
74.0
|
86.0
|
67.9
|
78.3
|
D30代女性の5.3%が糖尿病、またはその予備軍である
|
53.2
|
50.0
|
60.3
|
63.2
|
38.1
|
53.6
|
E日本人は欧米人に比べて
糖尿病になりやすい
遺伝的素質がある
|
49.6
|
45.3
|
48.1
|
52.6
|
58.3
|
44.9
|
F中年以降の糖尿病予備軍は男性よりも女性のほうが多い
|
37.0
|
40.7
|
41.2
|
40.4
|
27.4
|
33.3
|
・糖尿病について基礎知識がどの程度あるかを調べた。@〜Fはすべて正しいので、答えはすべて○。
・@の糖尿病の若年化については、非常に高い正解率だった。糖尿病になる子どもがいるという報道があるので、その結果かもしれない。「糖尿病=中高年の病気」ではなく、あらゆる年代がかかる危険性があるということは、充分に理解されていると言ってよいだろう。
・ただし、DとFの女性と糖尿病については充分には理解されていない。糖尿病はなんとなく「おじさんがかかる病気」というイメージがあるが、中年以降はそうとは言えず、むしろ予備軍は女性のほうが多い。
・50代は全年代中、正解率が最も低いのが特徴的だった。7問中、4問(@CDF)が最下位である。糖尿病の人の割合が多い年代にもかかわらず、基礎知識が欠けているのは困りもの。ぜひ、危険性を認識して、正しい知識を持ってもらいたいものだ。
3.糖尿病がひきおこす症状・病気だと思うものにいくつでも○をつけてください。
|
全体
|
20代
|
30代
|
40代
|
50代
|
60代
|
@失明
|
87.1
|
70.9
|
86.3
|
98.2
|
96.4
|
88.4
|
A視力の低下
|
64.9
|
60.5
|
71.8
|
54.4
|
61.9
|
69.6
|
B腎臓障害
|
60.0
|
66.3
|
60.3
|
64.9
|
58.3
|
49.3
|
Cしびれ
|
50.1
|
51.2
|
52.7
|
43.9
|
56.0
|
44.9
|
D手足の痛み
|
49.6
|
52.3
|
60.3
|
45.6
|
42.9
|
37.7
|
E心筋梗塞
|
48.0
|
47.7
|
51.9
|
49.1
|
44.0
|
44.9
|
F脳卒中
|
42.6
|
44.2
|
48.9
|
36.8
|
39.3
|
37.7
|
G自律神経障害
|
40.3
|
41.9
|
45.8
|
31.6
|
38.1
|
37.7
|
H目の出血
|
39.3
|
32.6
|
38.9
|
40.4
|
45.2
|
40.6
|
I狭心症
|
34.4
|
37.2
|
38.2
|
31.6
|
25.0
|
37.7
|
J歯周病
|
32.1
|
30.2
|
32.8
|
42.1
|
27.4
|
30.4
|
・ここにあげたすべてが、糖尿病の合併症なので、答えはすべて○。
・糖尿病は最初は自覚症状がない。尿が多い、のどが渇く、異常にだるい、食べているのに体重が減るなどと症状が出たときには、もうかなりすすんでいる。こわいのは合併症が多い点。中でも三大合併症と呼ばれるのが、網膜症、腎症、神経障害。ほかにも脳の血管障害、心筋梗塞など全身に症状が出てしまう。
・上の調査では、目と、腎臓が悪くなることは比較的よく知られていることがわかる。
・ ただし、脳血管障害や心臓の病気まで引き起こすことは認識が低い。
・ また、歯周病のように、一見、糖尿病と関係のなさそうな病気は認識度が低いが、糖尿病だと白血球の働きが弱まり、化膿や炎症を起こしやすくなるので起こりやすくなる。
4.あなたの生活にあてはまることに、いくつでも○をつけてください。
|
全体
|
20代
|
30代
|
40代
|
50代
|
60代
|
@運動はとくにしていない
|
55.0
|
75.6
|
58.0
|
50.9
|
51.2
|
31.9
|
A残りものは、もったいないので食べてしまう
|
42.9
|
45.3
|
32.8
|
43.9
|
54.8
|
43.5
|
B食べるのが早い
|
41.9
|
30.2
|
40.5
|
45.6
|
52.4
|
43.5
|
Cいつも甘いお菓子や飲み物を買ってある
|
40.0
|
58.1
|
38.9
|
40.4
|
28.6
|
33.3
|
Dストレスが多い
|
39.1
|
46.5
|
44.3
|
45.6
|
38.1
|
15.9
|
E食事を抜くことがある
|
30.2
|
40.7
|
42.7
|
19.3
|
14.3
|
21.7
|
F20歳のころより、体重が10%以上増えた
|
30.2
|
5.8
|
16.8
|
31.6
|
56.0
|
53.6
|
G親や祖父母に
糖尿病の人がいる
|
23.4
|
27.9
|
21.4
|
26.3
|
26.2
|
15.9
|
H脂っこいものをよく食べる
|
22.7
|
36.0
|
27.5
|
17.5
|
19.0
|
5.8
|
I夜、どか食いすることがある
|
18.7
|
29.1
|
25.2
|
17.5
|
8.3
|
7.2
|
J毎日、お酒をたくさん飲む
|
3.5
|
1.2
|
6.9
|
1.8
|
3.6
|
1.4
|
・上記は糖尿病になりやすい生活習慣などの例。
・20代の人たちが最も健康的でない生活をしているのがわかる。特に運動をしていない人が突出して多い。糖尿病の若年化がすすむ今、20代でも油断は禁物なので注意してもらいたい。
・また、50代で特徴的なのはABFの割合が他の世代に比べて高いこと。「残りものは、もったいないので食べてしまう54.8%」、「食べるのが早い52.4%」、その結果「20歳のころより、体重が10%以上ふえた56.0%」というのが50代の姿なのか。
・これから高齢社会の主役になり、人口構成比の高い50代。「もったいない」の気持ちは大切だが、ここは体のことを優先して、生活を見直し、食べ過ぎないようにこころがけたい。
以上
|