組み合わせで味に変化
水ようかんを食べた後に夏みかんを口にすると、みかんより酸っぱく感じられませんか。異なる二つの味を組み合わせて食べると味覚が微妙に変化する経験は、みなさんもお持ちでしょう。
もとの味とは異なる味をほんの少し加え、もとの味を強まったように感じさせることを「対比効果」と呼びます。例えば夏の味覚スイカに塩を振りかけて食べる方法。ほんの少し塩を加えることで、甘みを強調する効果を生み出すのです。ぜんざいの場合も同様。少量の塩を入れると、甘みが強まったように感じられるのです。
逆に、別の味を加えることで、もとの味を和らげることを「抑制効果」といいます。コーヒーやグレープフルーツに砂糖を加えるのは、素材が持つ苦みや酸味を抑えるため。
食物の基本的な味は「甘」「塩」「酸」「苦」「うまみ」の5種類ですが、「甘みと酸味」や「にがみと甘み」などさまざまな組み合わせによって、言葉では言い表せない複雑なおいしさを生じさせるのです。 |