おいしくゆでるコツ
赤飯の主役「小豆(あずき)」について考えてみましょう。ふつう、乾物の豆は一晩水につけてからゆでるものです。しっかりと中まで吸水させて加熱しやすくするためです。 ところが、皮がとても硬いあずきを同じように水につけると、皮が破れてしまいます。皮が硬いままで、内部がヘソの部分から入りこんだ水で膨らむからです。デンプンなどおいしさの成分も逃げてしまいます。
あずきの場合は、豆全体がしっかり漬かるように多めの水をなべに入れ、そのままゆで始めます。すると、加熱によって皮が軟らかくなり、吸水も均等に進むようになるわけです。沸騰後は弱火にして2、3分ゆで、いったん汁を捨てましょう。色を悪くし、苦みの元にもなるアクの成分を取り除くためです。もう一度、水を加え、今度は20分ほどゆでて、汁と豆を分けます。
この汁をお玉ですくい、20〜30cm上から4、5回落とします。ゆで汁には、空気に触れると赤くなる色素が含まれています。これが、ごはんを鮮やかな色に仕上げてくれるのです。 |