歯ざわりの決め手はバター
お菓子作りで最初に挑戦する人が多いクッキー。生地作りでは、先にバターと砂糖をよく混ぜて、最後に小麦粉を加えます。これは、ふんわり、サクサクしたクッキーを作るために大切なことですが、ここにバターの特性が生かされているのです。
まず、バターと砂糖を泡立て器でよく混ぜるときにできる気泡が、バターの働きでしっかりとし、しかもたくさんできるのです。 焼き上げると、この気泡が膨らんで、ふっくらとしたクッキーができあがります。
二つ目は、小麦粉の粘りを防ぐ働きです。普通に小麦粉をこねると、中のタンパク質が粘りの強いグルテンに変化して、生地が膨らまず歯ざわりも固くなります。ところが、生地の中に広がったバターの成分は、グルテンが作られるのを防いでくれるのです。
グルテン形成をより抑えるためには、小麦粉を最後に加えた後、混ぜすぎないようにするのがコツ。バターは、風味だけでなく歯ざわりの決め手なのです。お菓子作りの奥深さを示すいい例です。
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