水分を一気にとばして
ゴボウの香りと歯ざわりを楽しむには、何といってもきんぴらごぼう。でも気をつけないと、味が抜けてしんまで柔らかい煮物のようになってしまいがちです。
きんぴらごぼうはいため煮にします。油を使って短時間でいため、味付けする方法です。いためることで香りがよくなりゴボウにつやもでます。
失敗するのは、火力が弱いとき。ゴボウから余分な水分が出て、その周りに油がついたようになります。ベタベタした油っぽい仕上がりにしないためには、実は水分を一気に蒸発させることがポイントなのです。
「強火で短時間に」。きんぴらごぼうは、すばやく水分を飛ばすことに気をつけてください。代わってゴボウの中へ浸透した油がシャキシャキ感を保ってくれます。また、ゴボウは繊維があらく、調味料を吸収しやすいのですが、きちんと油で表面を覆うことでまろやかな味になるのです。
江戸時代に流行した金平(きんぴら)浄瑠璃の剛勇な主人公からきた「きんぴら」。強火で、しんが通った歯ごたえのあるものに仕上げましょう。
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