沸騰がおいしさを逃がす
みそ汁を口にして「舌触りがざらざらして、味もいまひとつだなあ」と感じたことはありませんか? これは、なにげなく煮立たせていたことが原因。みそは非常にデリケート。必要以上に加熱すると中の成分が変化してしまいます。なべの中をちょっとのぞいてみましょう。
みそを溶かし、なべの周辺がふつふつと泡立ち始めました。みその香りが一番強く、うまみがぐっと増したおいしいみそ汁のできた瞬間です。
ところが「あつあつのみそ汁の方がもっとおいしい」などと加熱を続けると失敗です。香りやうまみの成分が飛んでしまいます。さらに、みその中のタンパク質粒子がくっつき合って、大きく重なり底に沈みやすくなります。器につぎ分けて間もないのに、みそ汁の表面に透明な層ができることがあるでしょう。それが煮立たせた証拠です。
「みそを入れたら目を離さない。沸騰直前に火を消す」。これがおいしいみそ汁作りのコツ。具材だけの「みそ抜き汁」を作っておいて、食事の直前にみそを入れ温めるのが賢いやり方です。
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