刺激成分が甘みに
タマネギを刻むと涙がポロポロ。だれもが経験したことでしょう。犯人はタマネギに含まれる「硫化アリル」という刺激成分。調理中に蒸発して目を刺激するのです。
蒸発を抑えるには、まずよく切れる包丁を使うこと。この成分はタマネギの細胞が壊れたときに飛び散ってしまうので、切れない包丁で細胞をつぶしてしまうと蒸発の量が増えてしまいます。
次に、タマネギをよく冷やすこと。素材の温度が低いと、蒸発を抑えることができるのです。
ただこの犯人、実はおいしさのカギも握っています。タマネギをよく煮たりいためると、生にはない甘みが感じられますね。刺激成分は熱によって、甘みを持つ成分に変化するのです。目を刺激しないだけでなく、おいしさを閉じ込めておくためにも、簡単に逃してしまってはいけません。
「洋風かつお節」とも言われるタマネギ。カレー、シチュー、ハンバーグなど洋風料理のうまみ出しには欠かせません。涙のもとを上手に閉じこめ、甘くなるのを待ちましょう。
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