酢の働きが重要に
レンコンといえば、穴があいた個性的な切り口が特徴。煮崩れすることもなく、扱いも簡単です。でも、調理法によって、シャキシャキした歯ごたえになったり、柔らかな仕上がりになったりすることにお気づきでしょうか。そのカギを握るのが「酢」です。
酢には2つの働きがあります。ひとつは切り口を褐色に変える酵素を抑える働きです。ゴボウやヤマイモなどを酢につけると褐色になりにくいのと同じように、レンコンを酢の物にしたり、酢を加えて下ゆでしたりすると、鮮やかな白さを保ち、見た目も美しくなります。もうひとつはタンパク質を変化させ、粘りを失わせる作用。この作用で、快い歯ごたえが楽しめるのです。
一方、しょうゆで味付けをして煮込む場合は、白さを気にする必要はありませんね。むしろタンパク質の粘りがなくなると、ホクホク感が消え、固い仕上がりになってしまいます。こんな場合には、酢を使うのは逆効果となるのです。
「先が見通せる」と縁起がよいレンコン。おめでたい日の食卓に登場させてはいかがですか。
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