冷やして甘くする
スイカはやっぱり冷やして食べるもの。昔なら井戸につるし、今なら冷蔵庫に入れて冷やしたスイカを食べ、涼を楽しむっていいですね。今回はスイカの甘みについて考えてみます。温度と甘みには意外な関係があるのです。
スイカの甘みの主成分は「果糖」ですが、興味深い性質を持っています。温度によって甘さが変わるのです。常温では甘みが弱いアルファ型が多いのに、冷蔵庫の野菜室並みの2℃〜3℃になると、甘みが3倍も強いベータ型へと変化するからです。
冷やしたスイカが甘く感じるのはこのため。やはり「果糖」が多いナシやイチゴにも、同じことが言えます。同じ仲間の中でも、果糖の割合が多いのがスイカだったのです。
一方、ミカンやバナナは常温で食べることが多いですね。これらの甘みの主成分は「ショ糖」で、温度によって甘みが左右されない成分なのです。
「スイカを冷やして食べるとおいしい」。先人たちは甘みの特性を経験で知っていたのですね。適温で食べることは、おいしさの基本。涼感とともに甘さも楽しみましょう。
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