切って、たたいて
ステーキを焼いたり、トンカツを揚げたりして、脂身の境目が波打った経験はありませんか?また、トンカツの衣と肉にすき間ができて、衣がはがれてしまったことは?
その原因は、赤身と脂の間にある筋が縮んでしまったことです。そこで「筋切り」が必要になります。境目の部分に、直角に長さ1pほどの切り込みを入れ、伸縮の影響が広がらないようにして変形を防ぐのです。2pほどの間隔で両面に切り込みましょう。
一方、赤身部分には、同じような繊維があります。長くて丈夫なものです。この場合は「肉をたたく」という作業で、肉の繊維を断ち切り、柔らかくするのです。
逆に、形を保つために繊維を残すこともあります。例えば、肉を細切りにして、いため物にする場合には、繊維を断ち切ると、肉がちぎれてしまうことも。こんなときには繊維と平行に切るのがベストです。
「筋」と「繊維」と聞くと硬くて手ごわい印象ですが、切ったり残したりして、上手に利用しましょう。
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