短時間でカリッと揚げる
衣がついた揚げ物の代表的な存在のトンカツ。和食であるかのようにも思われていますが、実は明治時代に西洋から入ってきたカツレツがもとになっています。フライパンで焼いていた牛のカツレツが豚のカツレツになり、天ぷらの技術を生かして揚げ物のトンカツとなったのです。
小麦粉と卵水を合わせて衣をつくる天ぷらと、それにパン粉を加えてそれぞれを順につけて衣をつくるトンカツなどフライとの違いは、衣の水分量の差にあります。
水分が少ないフライの衣は、時間がたってもカリッとした食感が残ります。しかしこげやすく、短時間で揚げなくてはなりません。一方、天ぷらの衣は水分が多く、長時間揚げてもこげにくいのですが、冷めた後はべたつきやすくなるのです。
トンカツも短時間で調理します。ですから、中の肉に火が通りやすいように、厚さも1cmぐらいにしておきましょう。
外はカリッと、中はジューシーに。外国から輸入したカツレツを、改良して揚げ物に。日本人がもっとも得意とするところの技術ですね。
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